Research
Research
論文
修士論文
強度行動障害者の攻撃行動に対する低減方略:行動連鎖の分析に基づく包括的行動支援
(平成15年(2003年)3月 兵庫教育大学)
論文博士
行動問題を示す自閉スペクトラム症児の保護者への主体的な療育を促す包括的支援プログラムの検討
(平成29年(2017年)9月 兵庫教育大学)
主な学術論文
- 岡村章司・中島真由美・吉田君彦・大脇知子(2024)特別支援学校の教師に対する保護者とのコミュニケーションスキル研修の効果.LD研究,33巻4号,350-362.
- 本研究は,特別支援学校の教師4名を対象に,保護者に対するコミュニケーションスキル研修の効果,および保護者との関係や連携状況に及ぼす副次的な効果について検討した。研修は,保護者の基本的な理解やコミュニケーションスキルに関する講義に加えて,各スキルのロールプレイおよびふり返りやフィードバックといった演習から構成された。その結果,模擬面談において,Preと比較して,Postでは教師は学んだスキルを活用して保護者役である教師から情報や思いを引き出していた。社会的妥当性は良好な評価であり,教師は学んだスキルを実際場面でも保護者に対して活用したと報告した。一方,保護者と教師の関係尺度の結果では,保護者の得点は変化がない,もしくは低下した。今後の課題として,実際場面での般化の検証,参加者の選定方法や研修の負担改善に加えて,保護者と教師の協働を促すさらなる研修プログラムの検討の必要性について指摘した。
- 臨床心理学・最新研究レポート シーズン3(第40回)教育における意義ある重要な家族のパートナーシップに向けて : Garbacz SA, Minch DR, Jordan P, Young K & Weist MD (2020) Moving towards meaningful and significant family partnerships in education. Adolescent Psychiatry 10-2 ; 110-122.
- Okamura Shoji, Inoue Masahiko, & Gera Hiromi(2023)Family-focused behavioural support in Japan.International Journal of Positive Behavioural Support,Volume13,Number2,31-37.
- 岡村章司(2021)通常の学級担任による行動問題を示す自閉スペクトラム症児の保護者との問題解決プロセスの検討.特殊教育学研究,58巻4号,219-233.
- 本研究は、通常の学級担任が保護者とともに行動問題を示す自閉スペクトラム症児への介入を行うプロセスと、それにかかわる要因を明らかにすることを目的とした。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を研究方法として用い、通常の学級担任10名に対して半構造化面接を実施し、それらのデータを分析した。その結果、通常の学級担任は、自閉スペクトラム症児や学級全体への介入をしながら、保護者の実態に応じたコミュニケーションを図って関係づくりを行い、参画を促すなどの保護者への支援を行っていくことで互いの取り組みの成果を共有していた。これらのプロセスを促進する要因として、校内支援体制と教師としての役割認識が見いだされた。しかしながら、家庭での行動問題に関する問題解決に至った事例はみられなかった。以上の結果から、通常の学級担任に対する、保護者との協働を促すために必要な支援や研修のあり方について考察した。
- 岡村章司・藤田継道(2021)場面緘黙と不登校を呈した自閉スペクトラム症児に対する協働型行動コンサルテーション.LD研究,30巻2号,152-164.
- 本研究では,保護者と担任を対象に,場面緘黙と不登校を呈した自閉スペクトラム症児に対する協働型行動コンサルテーション(Conjoint behavioral consultation : 以下,CBC)を実施した。コンサルタントは直接支援を行わず,保護者と学級担任が家庭・学校場面において,自閉スペクトラム症の特性に応じた,不登校と緘黙症状に対する支援を行った。その結果,対象児は毎日登校し,学校での活動への参加行動の増加およびコミュニケーション手段や内容の拡大がみられた。保護者と学級担任は支援を受け入れやすいと評価し,両者のコミュニケーションの増加が確認された。保護者と教師の協働を促すCBCは,学校現場で用いられるモデルになりえると考えられる。しかしながら,学校での対象児の発話はみられず,支援の効果に関する項目で学級担任の評価は低く,母親も他の項目に比べて一部低かった。対象児の変化をもたらした要因および今後の支援,CBCの効果的な条件について考察した。
- 岡村章司・井澤信三・宇野宏幸(2019)自閉スペクトラム症児における行動問題と保護者のニーズ ―保護者のストレス対処力の影響を含めて―.特殊教育学研究,57巻3号,149-158.
- 本研究では、自閉スペクトラム症(以下、ASD)児の行動問題と知的障害の有無、次に、行動問題と保護者のストレス対処力(Sense of Coherence; SOC)をもとにした、保護者のニーズの違いを検討した。419名に質問紙を配布し、小・中学生のASD児をもつ保護者104名を対象とした。その結果、行動問題高群の保護者はすべてのニーズが高かった。特に、知的障害のない行動問題高群の保護者は、「他者への説明方法に関するニーズ」が高く、「家族関係に関するニーズ」と相関があった。このことから、保護者自身や家族に関する支援、および関係者への子どもの状態に関する説明を可能にする支援が重要であると示唆された。 さらに、SOCの把握可能感が低い行動問題高群の保護者は、「情報に関するニーズ」と「他者への説明方法に関するニーズ」が高かった。このことから、行動問題の知識や技術を提供しながら理解を高め、保護者のストレスに配慮しながら日々の状況の観察、記録を促す支援が必要とされると考えられた。
- 岡村章司・渡部匡隆(2017)自閉スペクトラム症幼児の両親に対する夫婦間コミュニケーション行動を促す支援の検討.カウンセリング研究,50巻3.4号,152-159.
- 知的障害を伴わない自閉スペクトラム症幼児の両親に対して,夫婦間のコミュニケーション行動を高める支援方法の効果について検討することを目的とした。母親は主治医や他の親などの関係者と話すことで不安になり,父親に対する不満を述べることが多く,父親は母親に対して話すことが少なかった。両親でともに子育てをするといった面接の目的を明示し,幼児の具体的な課題を通して,幼児の家庭での行動記録をもとに面接を実施した。面接者が考える幼児の課題への対応に関する案を提示することは控え,両親が意見を言って話し合うことを促した。それらの意見に対しては肯定的なフィードバックを行った。その結果,父親の発言が増加し,父親の意見を踏まえた母親の発言がみられるようになり,相談して幼児の対応方法を決定することができるようになった。さらに,幼児の日常的な対応にも望ましい変化がみられ,夫婦間の日常的な会話の高まりがうかがえた。以上の結果より,親による記録を用いた夫婦での意思決定を促す行動カウンセリングの有効性が示されたと考えられ,ASD 児の保護者支援における夫婦間のコミュニケーション行動に対する支援の重要性が明らかになった。
- 岡村章司(2016)特別支援学校のセンター的機能を促す特別支援教育コーディネーターの役割.LD研究,25巻3号,338-348.
- 本研究では,一特別支援学校の特別支援教育コーディネーターが行った小・中学校への支援に関する実践をもとに,特別支援学校への自発的な相談や依頼を促す方略の検討を行うことを目的とした。特別支援教育コーディネーターはセンター的機能の関係者に対する周知徹底を適宜行い,教育委員会の指導主事,他の特別支援学校や関係機関と地域における相談体制のあり方について定期的に協議を行った。巡回相談では,児童生徒の問題を解決する適切な支援行動を強化し,担任の取り組み内容を具体的に整理した。その結果,自発的に支援を依頼する小・中学校が指導主事の紹介等により増加した。継続的に巡回相談を行った学校では,授業改善など,コンサルテーションの内容が拡大した。小・中学校等からの研修協力に関する依頼も増加した。以上の結果をもとに,特別支援教育コーディネーターの機能的な地域参画・参入の観点から方略の有効性について考察した。
- 岡村章司(2016)高いストレスをもつ保護者による行動問題を示す自閉症児への家庭での介入を促す支援方略の検討―強みに基づくアプローチを通して―.特殊教育学研究,54巻4号,257-266.
- 行動問題を示す自閉症児(長男)に対して、高いストレスをもつ母親が機能的アセスメントに基づく介入を家庭で実行するための支援を行った。長男は自らを否定的に語ることがみられ、遊びをやめる際に机を蹴るなどの行動問題を多く示した。母親はこれらの行動が生じる原因は自らの言動であると捉えていた。面接では、母親の行動記録に基づき、行動問題が生起したおよび生起しなかった状況や要因、介入方略を語るよう促し、特に母親の適切な対応を強調し、望ましい結果を称賛した。その結果、母親は行動問題の先行事象や結果事象および介入方略を自発的に語ることがみられ、行動問題は減少した。長男や自らの肯定的な評価、望ましい関わりに関する語りもみられた。さらに、母親の精神的健康度が上昇し、不安水準も低減した。以上の結果から、介入の主体性を促す、行動記録に基づく保護者の強みを強調する支援アプローチの効果について、考察を行った。
- 岡村章司(2015)特別支援学校における自閉症児に対する保護者支援―母親の主体性を促す支援方略の検討―.特殊教育学研究,53巻1号,35-45.
- 特別支援学校小学部に在籍する自閉症児1名の母親を対象に、担任教師が家庭における要求言語行動および身体を洗うスキルの獲得を目的とした支援を行った。母親の負担を配慮した手続きの作成を行い、母親による日々の記録をもとに、フィードバックを行った。併せて、連絡帳や面談では、取り組みに対する肯定的な評価を積極的に行った。家庭における指導課題の一部を学校でも同様に指導した。母親が取り組みたい課題を提案したときには、手続きや記録の方法を検討するよう促した。その結果、標的行動は達成し、母親から提案された複数の指導課題についても成果がみられた。母親は指導や記録を1年間継続的に実施し、それらを肯定的に評価していた。結果に基づき、本実践が対象児の行動変容および保護者の主体的な取り組みに及ぼした効果について、子ども、保護者、教師の強化関係を促す支援の有効性の観点から考察した。
- 岡村章司・渡部匡隆(2015)広汎性発達障害児の保護者が示す子どもを叩く行動の変容―行動記録を用いたカウンセリングの効果の検討―.特殊教育学研究,52巻5号,369-379.
- 広汎性発達障害児に対し叩く行動を繰り返していた母親を対象に、母親による行動記録をもとに、叩く行動の要因に関する語りを高めるカウンセリングによる支援を行った。夫婦間の協力が乏しい状況下で、母親は不安やストレスを常に抱え、暴言、暴力を示すわが子に対して、夫とともに叩く行動を繰り返していた。面接では、叩く行動に関する日々の行動記録をもとに、行動の要因について整理し、対処方法の表出を促した。その結果、自分の状態や家族の状況、およびそれらへの対処方法の表出がみられ、夫婦ともに叩く行動が減少した。併せて、母親自らの行動管理や家族との望ましいコミュニケーションの増加が確認された。支援開始約1年後には、夫婦の叩く行動はなくなった。以上の結果から、行動記録に基づくカウンセリングの有効性について考察し、家族間の強化関係を実現していくための支援を行う人的・社会的資源の確保の必要性について指摘した。
- 岡村章司(2014)学校との協働を通した行動問題を示す発達障害児の保護者への支援―コンジョイント行動コンサルテーションを中心に―.特殊教育学研究,52巻4号,305-315.
- 本研究は、応用行動分析学に基づく行動問題を示す発達障害児の保護者と学校の協働を促すアプローチについて現状を概観し、今後の学校との協働を通した保護者支援のあり方を検討した。コンジョイント行動コンサルテーション、積極的行動支援による実践は、行動問題の軽減に限らず、保護者と学校の肯定的な関係を築くことで家庭と学校の両場面で適切な行動を促してきた。保護者や教師のそれぞれの個別性を認め、強さ、資源に焦点を当てること、両者が問題解決を図るためのスキルや知識を増やすこと、両者の介入に対する主体性を上げることが重要であった。今後の課題として、生活の質の改善を含めた家族自体の変容の評価、コミュニケーションの分析を含めた保護者と学校の関係に及ぼす効果の検討を挙げた。さらに、わが国における学校に応じた行動随伴性の整備の必要性を指摘し、保護者自身への支援と併せて協働を促す阻害要因を解消するための方略を強調した。
- 岡村章司・渡部匡隆(2014)広汎性発達障害のある生徒の暴力場面の振り返りを促す支援方法の検討.特殊教育学研究,52巻3号,191-203.
- 広汎性発達障害のある生徒に対して、暴力や適切な対処行動が生起した状況について具体的に振り返ることができるよう試み、その支援方法に関する検討を目的とした。本研究開始前には、対象生徒は級友への暴力が生起した状況と生起しなかった状況の言語表出が不十分であり、言語表出に対する抵抗を示した。介入1期には、先行条件、結果条件といったABC分析の枠組みをもとに言語表出を促したが、暴力が生起しなかった状況を具体的に言語表出することは困難であり、興奮する様子がみられた。介入2期において、言語表出の際にロールプレイを併せて実施し、暴力が生起しなかった状況における適切な対処行動の言語表出を強化した。加えて、自らの興奮状態の弁別訓練を行った。その結果、暴力が生起した状況や適切な対処行動に関する言語表出がより詳細で具体的になり、興奮状態の弁別も可能になった。支援の結果に基づき、支援方法の有効性について考察を行った。
- 岡村章司・井上雅彦・高階美和(2010)自傷行動を示す知的障害児に対する家族支援 : 月1回の母親へのコンサルテーションを通して.特殊教育学研究,47巻5号,307-315.
- 自傷行動を示す重度の知的障害のある男児に対して、専門機関における月1回のコンサルテーションのもと、母親が家庭場面において介入を行った。その際、保護者が主体的に支援方法や解決方法を試行し、実践していくことを目標とした。介入は母親の実行可能性が高い場面から開始し、記録の内容や方法により、母親の気づきを促しやすいプログラムを設定した。コンサルテーションだけでは改善が困難な場合には、母親が対象児にかかわる場面において、対応方法のフィードバックを行った。その結果、母親がラベリングした「感覚遊び」「指示」「要求」「笑いながら」「急に」の5つの全場面において、自傷行動は減少した。家族を家庭場面における行動問題への主体的支援者とするため、専門家が月1回のコンサルテーションを行うことで示された効果について考察を行った。
- 岡村章司・渡部匡隆・大木信吾(2009)アスペルガー障害児の算数テスト場面における課題従事行動の支援 : 自分で見いだした解答方略を活用した自己管理の効果の検討.特殊教育学研究,47巻3号,155-162.
- アスペルガー障害のある児童を対象に、算数の課題従事行動を高めるための自己管理の支援法について検討することを目的とした。対象児はテスト場面において、活動に安定して取り組むことが困難であり、プリントを破るなどの行動がみられていた。行動観察の結果に基づき、介入1期では、得点のグラフ化、休憩時間の活動内容の事前選択、それらのスケジュールを自分で記入することからなる自己管理の支援を行った。介入2期では、解答する順番を決める、解き方を自分で言いながら解くなどの、本人自らが行っている解答方略を明記した自己教示支援シートを用いた自己管理の支援を行った。その結果、ベースライン期に比べて、課題従事率と得点の向上がもたらされた。また、指導者変更条件および指導者不在条件においても、その結果が維持された。以上の結果について、本人が見いだした解答方略を尊重した自己管理の支援の有効性から考察した。
- 岡村章司・藤田継道・井澤信三(2007)自閉症者が示す激しい攻撃行動に対する低減方略の検討 : 兆候行動の分析に基づく予防的支援.特殊教育学研究,45巻3号,149-159.
- 本研究では、小規模作業所において、自閉症者の激しい攻撃行動を低減するための方略を検討した。機能的アセスメントにおいて対象者と職員の相互作用の行動連鎖を記録し、兆候行動に焦点を当てて機能分析を行った結果、職員が兆候行動を強化し攻撃行動の生起頻度を高めていることが明らかになった。そのため、兆候行動に対する介入を実施し、かつ場に適切な行動を促進することが攻撃行動の生起を予防すると考え、作業場面、活動の切り替わり場面において介入プログラムが作成され介入が実施された。その際、兆候行動、攻撃行動への対応を詳細な手続きとして記述した。その結果、兆候行動、攻撃行動は低減し、適切な行動が増加した。攻撃行動と兆候行動の機能的関係、介入プログラムの有効性、激しい攻撃行動に対する実行可能で、かつ予防的なアプローチに関して考察を加えた。
- 岡村章司・渡部匡隆・大木信吾(2006)アスペルガー障害のある児童の話し合いスキルの形成-集団ゲーム場面における支援方法の検討-.発達障害支援システム研究,5巻1号,31-36.
- 本研究では、アスペルガー障害のある児童に対して、集団ゲーム場面において、実施したいゲームが相手と異なる場合のゲームを開始するまでの話し合い行動を取り上げ、話し合いスキルを形成するための支援方法を検討した。研究開始前には、対象児はゲームに参加することができなかった。ゲームのルールや方法が理解されていなかった訳で はなく、行動レパートリーがあってもそれらを発揮できる環境ではなかったことが原因と考えられた。そこで手順書の提示など話し合い場面を構造化し、自己決定の機会を導入した。その結果、ゲームを開始するまで参加者と協調を図りながらの話し合いが成立し、ゲームへの主体的な参加が促進された。各方略の有効性、アスペルガー障害のある児童のコミュニケーション行動への支援のあり方に関して考察を加えた。
科研費の報告書
- 特別支援学校における行動問題を予防する保護者参画システムモデルの構築
(科学研究費助成事業 基盤研究(C) 研究期間 : 2022年04月 -2025年03月)- 学校現場で実施可能な保護者参画の具体を明らかにすることを目的とし、特別支援学校を対象に、保護者と教師が協働して取り組む実践を展開し、保護者参画システムモデルを提案した。文献研究や調査研究より、学校組織として支援体制のもとで保護者と協働することの重要性が確認されたとともに、保護者支援に関する教師研修の充実、関係機関連携の促進や連携・協働の具体化の課題が見出された。実践研究では主にすべての保護者を対象とした一次支援に関する研究を実施し、学校組織としての保護者参画の効果を明らかにした。今後は、保護者参画システムモデルを自治体や学校に適用していき、効果検証を重ねる必要があると考える。
- 行動問題を示す自閉症児の保護者支援に関する参画型教師研修プログラムの開発
(科学研究費助成事業 基盤研究(C) 研究期間 : 2018年04月 -2022年03月)- 自閉症児の保護者と学校の協働の重要性は指摘されているものの、そのプロセスはほとんど検討されておらず、学校においては保護者と連携する方法論が乏しい現状がある。本研究では、幼稚園、小学校、特別支援学校の教師を対象とし、行動問題を示す自閉症児を含む発達障害児の保護者支援に関する研修プログラムを開発した。保護者とのコミュニケーションスキル研修、家庭で保護者が子どもに適切な行動を教えることを促す行動問題の予防研修、学校における行動問題の問題解決研修、教師が保護者による支援をともに評価する、家庭における行動問題の問題解決研修を実施し、効果が確認された。子どもの成果に加えて、保護者と教師の関係性や保護者自身の変化も示すことができた。研修プログラムの特徴として、①ワークショップ形式を主眼としているため、学んだ内容が学校での実践に結びつきやすいこと、②保護者との協働が促進されることは、自閉症児への教育的支援の向上につながることが挙げられ、多くの教師にとって有益な研修内容と言える。プログラムを学校現場に広く適用していくために、学校組織としての保護者参画の具体的なシステムモデルを示す必要があると考える。
- 行動問題を示す自閉症児の保護者への療育の主体性を促す支援プログラムの開発
(科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究期間 : 2015年04月 -2018年03月)- 行動問題を示す自閉症児の保護者支援を「療育支援」と「保護者自身への支援」の2つの観点から整理し、統合化した保護者支援プログラムを開発することを目的とした。本研究の結果、保護者の実態、自閉症児の行動問題の程度に応じた、主体的な療育を促す5つの支援アプローチが以下に示された。①学校での指導を充実させるための保護者連携、②保護者による行動問題の予防的介入、③保護者による行動問題への機能的アセスメントに基づく積極的介入、④保護者自身の課題に対するメンタルヘルス支援、⑤ ③と④の統合型支援。さらに、各アプローチを小学校、特別支援学校において適用した結果、親子両方への効果を明らかにすることができた。
Book
気になる子どもが変わる先生のための学校でできる保護者支援 : 応用行動分析学によるアプローチ
岡村章司(単著)
学苑社 2025年
ISBN:9784761408701
子どもの成長をともに喜び合うために保護者との向き合い方から具体的な連携方法までを応用行動分析学の視点から解説する。
保護者と先生のための応用行動分析入門ハンドブック : 子どもの行動を「ありのまま観る」ために
三田地真実・岡村章司・井上雅彦
金剛出版 2019年
ISBN:9784772416931
子どもを、先入観なく客観的に観ていくことはとても難しい。 本書で解説する応用行動分析を活用することで、その子の気になるところや悪い部分ばかりでなく、「良いところ」「きちんと行動できている部分」に目が向けられるようになる。すぐにすべてができなくても、1つずつステップを続けていけば、子どもの良い面をさらに延ばしていくことができるだろう。 子どもの気になる行動に困っている教師・親御さんにお勧めの一冊。
問題行動解決支援ハンドブック : 子どもの視点でポジティブに考える
O’Neill Robert E, Albin Richard W, Storey Keith, Horner Robert H, Sprague Jeffrey R, Jeffrey Richard 三田地真実・神山努・岡村章司・原口英之
金剛出版 2017年
ISBN:9784772415835
本書では,問題行動の機能的アセスメント,また問題行動を起こしている子どもたちへの個別化したポジティブな行動介入・支援計画を立てる際に,必要な情報を集める手段としての記録用紙の使い方や手続きについて解説する。
自閉症スペクトラムのある子どもの人間関係形成プログラム : 6つの領域から支援する : 自分らしく生きていくために
渡部匡隆・岡村章司・PDDプロジェクト
学苑社 2014年
ISBN:9784761407612
本書は、知的障害のない自閉症スペクトラムのある子どもたちが、自己決定力やアイデンティティの形成の基礎となる人間関係力を身につけるためのプログラムです。10年にわたる実践で証明された本プログラムを実施することによって、子どもたちは、自分らしく充実して輝きながら生きていくことが可能となるでしょう。



